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2012年3月31日土曜日

君はいつからブリーフを卒業した

これは、 2008年03月31日にmixiに書いたもの。

この日記は、また誰かに読んでほしいと思って、昨日アップロードするつもりでいた。

すっと、なんと奇跡が!!
今日の日付は、2011年03月31日。つまり、今回の文章を書いてからちょうど4年。

4年って凄い日にちよね。中学も高校も3年なわけで、4年て。


今回の文章は、小説ってか、そんな感じの文章です。

読み返してみると、読みにくすぎてワロタけど、しょうがね。

ほなどうぞ。




暖かい風が僕の横を通りすぎた。



平成7年。

季節は夏。

空は雲ひとつない晴れた日。


あの頃を振り返って思い出す。


日曜の朝7時に始まるアニメを欠かさず見ていた頃。

あの頃、僕は、興味と憧れを抱いていたものがあった。


トランクス


ドラゴンボールのキャラクターではなく、服のトランクス。

それはもう、とてつもない存在だった。

誰にだってあるだろ。とてつもない存在というものが。 



僕は長男で、兄貴の影響をうけなかった。

そのため、トランクスはまさに若杉家にとって未知の代物だった。

猫に小判。若杉家にトランクスというべきか。



なぜかわからないが、ホントになぜだったんだろう、
トランクスをはくのは3年生になってからと若杉家で決まっていた。 


いつからか、傘は必ずビニール傘とか、コンビニで買うのはジュースではなくお茶とか、つまり暗黙の了解とかいうやつだ。

僕はその暗黙の了解を一年死守した。



1年が過ぎた。

始業式の日とか、そういう3年になったその日。ではなかったことを覚えている。 

3年生になったある1日。 

前の晩に、9時には就寝し、朝は心臓の音で目覚めた。

顔も洗わず歯磨きもせず、さっそうとタンスの前に立った。


古びたタンスが眼の前でこれでもかと光輝いている。

引き出しを引いた。ぶつを手にとる。


1年間のトランクスに対する思いが手を震わせる。

やっときたこの瞬間。これがトランクスか!と高らかにかかげてみる。 

満面の笑みでパンツを着替える。 


このフィット感、通気性、デザイン、勝るものはいないと誇示する僕がそこにいた。

それにしてもトランクスってのは短いなあ。しかも薄っぺらい。



僕は気づく。 

時間だ。学校に行かなければ。 

かけあしで家を飛び出した。



学校までの道のりはいつもとは全く違って見えた。

太陽の光が僕のパンツを照らし、いつも以上に胸を張って歩く。


普段は、うるさく聞こえるセミの声も今日はきにならない。

学校につくと、普通に、普通に一日を過ごした。 

というより記憶がない。


そして旅路についた。

と思われる。 




夕方。

至福の一日の大半を終え、近所の友達と遊ぶことになった。

公園で野球かサッカーかケイドロかそこらへんのたぐい。


集合場所には友達の兄ちゃんが来ていた。

遊ぶことになった。

今の僕なら50秒を2秒で走ることが出来る。
今の僕なら魔人ブウにだって勝てる。

僕の顔は、そんな自信の笑みで溢れていた。



そこで、ある、言葉を友達の兄ちゃんから告げられた。


「あれれえ、お前なんでパンツはいとっと?ズボンはどうした?」


わけがわからない。

まさか、今日という日に間違えるわけがない。 

なんたって一年間の思いがそこにある。


次の瞬間、とんでもない言葉を耳にした。


「おめえ、トランクスってパンツだよ。」



ズボンと間違って、ブリーフの上にトランクスをはいていた。




夏のこもれびが僕のパンツを照らした。

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