その先には何もない
頑張った先には何もない
1位になった先には何もない
勝った先には何もない
世界をまわった先には何もない
英語を話せた先には何もない
有名になった先には何もない
その先には何もない
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暗い表現になったけれども、実は明るい、そんな話。
先月、「野球の先には何もないぞ。」と野球界で働く人に言われ、「その先には何もないんじゃないか?」とオランダで働く方に言われた。
その言葉が妙にひっかかっていた。なんとなくわかるけれど、なんとなくでしかわからない。なぜ、心に残ったのだろうとモヤモヤした日々を過ごしていた。
振り返るは、21〜28歳の7年間。
「その先には何かあるんじゃないか?」と思って動いてきた。頑張ったら、トップになったら、海外をまわったら、英語を話せたら、1位になったら、何かあるんじゃないか?と思っていた。
でも、何もなかった。
どんなに動いても「充実感」や「達成感」みたいなものを感じなくて、だから、現状に満足することが出来ず、心の底には得体のしれない苦しい感じがずっと流れたまま、何かを目指して、動いていた。
その「何か」が何かなんてわからず。
フィリピンにいるときは「英語を話せてどうするんだろう?」と授業に行けず、アメリカをまわっているときは「自分の欲求だけを満たしてどうするんだろう?」とホテルから出られず、名古屋で仕事をしているときは「結果を出したら何かあるんじゃないか?」と土日も休めず働いていた。
仕事を辞めてからのこの6ヶ月。
その違和感を感じながらも、動いていた。結果が多少出たけれども満足感も達成感もない。「動くこと」が苦しい状況を乗り越える1つの方法であることはわかっていたので、無理矢理、動いていた。そんな中での冒頭の言葉。
「野球の先には何もないぞ。」「その先には何もないんじゃないか?」
ある日。
Google先生に「充実感や達成感を感じないのはなぜか?」と聞いてみたら、アメリカの心理学者の本をオススメされた(前職で学んだ学者と同一だったので驚いた)。
図書館に直行し、3冊ほど読んでみた。
その方いわく、
"一般的に信じられていることとは逆に、生活での最良の瞬間は、受動的な状態でくつろいでいるときに現れるのではない。普通、困難であるが価値のある何かを達成しようとする自発的努力の過程で、身体と精神を限界にまで働かせきっている時に生じる。""
''成功や幸福は、それをめざし、目標にすればするほど遠ざかる。幸福と同じく、成功は追求できるものではない。それは自分より重要な物への、個人の献身の果てに生じた、予期しない副産物のように、結果として生じるものだからである。''
""人生にすばらしいことをもたらすのは、幸福というよりも、物事に完全に熱中することである。熱中しているとき、我々は幸福ではない。なぜなら幸福を体験するには、自分たちの内面の状態に集中しなければならず、それは注意力を仕事や手元から遠ざける事になるからである。(例えば、もし、ロッククライマーが難しい動きを切りぬける途中で、幸福を感じるための時間をとったら、谷底に落ちるかもしれない。)つまり、回想のなかでだけ、幸福になれるのである。""
要は、「何かをした結果」が自分をハッピーにしたり、充実させるのではなく、「何かをしている最中」が最終的には、自分に幸福感を抱かせ、達成感をもたらすということであった。
過去の7年間を振り返ってみると、思い当たる節がある。
フィリピンにいるときは「英語で話しているとき」が楽しくて、アメリカをまわっているときは、「自分の足で球場まで辿り着くこと」が面白くて、名古屋で仕事をしているときは「新規のお客さんを開拓しようとしているとき」が1番良い状態だった。
ある程度、その先にあるもの、「英語が話せる姿」「野球の写真展」「同期1位」を掲げた後は、目の前のことに集中し、その途中は苦しくても、後から振り返ると、いい時間になっていた。
そう考えたら、楽になった。
自分の現状に照らし合わせるなら、いい意味で終わりなんてなくて、その過程をより改善し続ければいい。
言葉を変えれば、その過程で悩み苦しむことはあっても、その結果を考える事で悩み苦しむ必要はない。
やっぱり、自分が想像していた「何か」はその先にはなかった。
この感じを伝えてくて、冒頭の詩を書いたのでした。ご理解頂けたかどうかはわからないけれど、誰かに伝われ。
暗そうで、実は明るい、そんな話。
※黄色のマーカー部分の言葉は、自分が都合良く、著書から抜粋したものです。興味がある方はきちんと理解することをおすすめします。アメリカの心理学者とは、チクセントミハイという方で、「幸福」「創造性」「主観的な幸福状態」「楽しみ」の研究(いわゆるポジティブ心理学)を行い、フローの概念を提唱したことで知られています。(Wikipediaより抜粋)3冊ほど読みましたが、この2冊がおすすめです。各本の気になる部分とAmazonでの購入先をリンク先に貼付けています。読書「フロー体験 喜びの現象学」読書「フロー体験入門」
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