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2012年7月14日土曜日

実戦・日本語の作文技術

「全体」
この本は、「日本語の作文技術」の続編。
続編だけあって、「日本語の作文技術」を最初に読まなければ理解しにくい点が多々ある。本全体は、前編と後編に分かれ、前編に「日本語の作文技術」で書かれていた原則を書いている。

「要約」
P82
次の言葉を、どう並べたら、1番わかりやすいか。

例1
自分の生命を敬愛していた太宰治の前で絶ったのである。

A 敬愛していた太宰治の前で絶ったのである。(なぜなら、長い順を先に、区を先にする必要がある。)

例2
埼玉県で30日夜、実の娘夫婦が胃がんなどのために「死にたい」と漏らす老舗をバイクで荒川まで連れていき、入水自殺を見届けるという事件が夫婦の自首で明るみに出た。

A 埼玉県で30日夜、胃がんなどのために「死にたい」と漏らす老舗を実の娘夫婦が荒川までバイクで連れていき、入水自殺を見届けるという事件が夫婦の自首で明るみに出た。(なぜなら、長い順を先に、区を先にする必要がある。)


例3
愛知県で、ゴムボートから兄が一緒に釣りに来ていた弟を冬の海に突き落として殺し、弟にかけていた3千万円の保険金を詐取しようとした事件が発覚した。

A 愛知県で、一緒に釣りに来ていた弟を兄が冬の海にゴムボートから突き落として殺し(兄弟殺人を強調する場合)or 愛知県で、一緒に釣りに来ていた弟を冬の海に兄がゴムボートから突き落として殺し(大状況から先にの原則の場合)

P176
北海道大学の敷地内にあった立て札

「芝生をいためる球技等の行為は厳禁する」をみて、何かおかしいぞ?どうしたらわかりやすくなるのか?と著者は思ったことから始まる。

①芝生をいためる球技等の行為は厳禁する

②球技等の芝生をいためる行為は厳禁する

③球技等芝生をいためる行為は厳禁する

④球技など芝生をいためる行為は厳禁する

⑤球技など芝生をいためる行為は禁ずる

⑥球技など芝生をいためる行為を禁ずる

なぜこういった流れになったのか、本に詳しく掲載している。

「意見」
まず、「日本語の作文技術」を先に読んだ方がよい。


なぜなら、「日本語の作文技術」を理解している前提で記載されている箇所があるため。

例えば、「助詞」について深く理解していない俺は、P182の⑥になる経緯を理解出来なかった。

この本の良い点は、「日本語の作文技術」で習った原則等を、また例文を使って説明している点。そのため、復習が出来る。あと、P176の立て札の話は非常に面白い。後編「日本語をめぐる国語的情況」は、全く面白くなかった。

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